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明けましておめでとうございます。

昨年中は並々ならぬご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。


Space Oddity - David Bowie, Mv: Mick Rock, UK & US 1972

Space Oddity (Original 1st version) - David Bowie, Mv: Malcolm J. Thomson, UK & US 1969

Space Oddity (50th anniversary version) - David Bowie, Mv: Eduaord Lock & Tim Pope, UK & US 2019

Space Oddity (50th anniversary version) - David Bowie
Parlophone

1969年、デビット・ボウイの「スペース・オディティ」が発売されました。

その前年に公開の映画「2001年 宇宙の旅 (スペース・オデッセイ)」に触発されたこの曲は、アポロ11号の月面着陸成功の影響もあって彼の最初のヒット曲となります。ミュージックビデオは再販に合わせて何度か制作されていますが、一番有名なのはイギリスの写真家ミック・ロック (クイーンのジャケ写などで著名) が監督した1972年版のミュージックビデオでしょう。当時の彼はグラムロックに傾倒していたためルックス重視、いわゆるバリバリのビジュアル系で、そんな彼が歌うフォークソングな「スペース・オディティ」の衝撃は、後々YMOのオカマメイクにまで影響を与えたんじゃないかと勝手に思っています。

2013年にはカナダのクリス・ハドフィールド宇宙飛行士がこの曲を国際宇宙ステーション (ISS) からギター演奏して歌い、宇宙で撮影された初のミュージックビデオとして再び話題になりました。因みに、ISS の中のいろいろな場所で撮影していて、下記カットのように日本のモジュール「きぼう」が出てきたりすると、なんかやっぱり嬉しいですね。


David Bowie's Space Oddity - Chris Hadfield, Mv: CSA & NASA, ISS 2013

International Space Station (ISS Expedition 35)
NASA


1981年、スペースシャトル (STS-1) が初の打ち上げに成功します。

同年に開局した世界初の音楽専門チャンネル「MTV」のオープニングタイトルでは、このSTS-1の発射シーンと、アポロ11号が月面着陸した際にアメリカ国旗を掲揚した写真にMTVのロゴを合成したシーンが使用されました。こういった「新しい時代の幕開け」的なイメージと、世界的なシンセポップ (日本ではテクノポップとして) の流行に影響されて誕生した名曲のひとつがピーター・シリングの「メイジャー・トム (帰還)」です。

当時、この曲はデビット・ボウイの「スペース・オディティ」に対する返答ではないか、という説があり、なぜなら「スペース・オディティ」の歌詞に登場する架空の人物も「トム少佐 」(つまりメイジャー・トム) だったから、です。しかし、後年になってピーター・シリング自身から「有名なヒット曲に出てきた名前をもらったくらいで、それ以外はあんまり関係ないんだよね」的な発言があり、双方のファンはちょっぴりがっかりしたものです。

なお、デビット・ボウイの「スペース・オディティ」のトム少佐は歌詞の中で、まるで二度と故郷に帰らない、いや帰れないんだ的な発言をして、地上管制官からの呼びかけにも答える様子がありません。

一方、ピーター・シリングの「メイジャー・トム (帰還)」のトム少佐は、まだ僕には帰れる所があるんだ的な、アムロみたいな発言を何度も繰り返していて、対照的な歌詞になっています。更にサブタイトルが「帰還」ですから、これはボウイの曲と比べられても致し方ありませんね。

なお、「メイジャー・トム (帰還)」のミュージックビデオでは以前の記事「月面」の注釈で書いた、アポロ11号の月着陸船が帰還する際に月面になんとか立てた星条旗を離陸エンジンの噴射で倒してしまった、その時の直前の映像がチラッと使われています (2分59秒あたりから)。


Major Tom (Coming Home) - Peter Schilling, Mv: Peter Sinclair, Germany & UK 1983

Major Tom (Coming Home) - Peter Schilling, Living Room Sessions, Germany 2020

Major Tom (Coming Home) - "Error in the System" Peter Schilling
Elektra Records / WEA Records


It is a beautiful and delightful sight to behold the body of the Moon.

     Galileo Galilei

from "The Starry Messenger", Introduction: From Doubt to Astonishment, 1610


月の姿は、美しく、楽しい眺めだ。

     ガリレオ・ガリレイ

1610年「星空の使者」序章:疑問から驚愕へ、より


天体望遠鏡を使用して初めて月を観察したガリレオの言葉で始まるショートフィルム「月の新しい眺め方」(A New View of the Moon)は、ロサンゼルス在住の映像作家、ワイリー・オーバーストリートさんとアレックス・ゴロシュさんによって製作されました。

いつも使っているドブソニアン型12インチ反射望遠鏡を街中にそのまま持ち出してみた、というもの。

この作品はナショナル・ジオグラフィックのショートフィルム・ショーケースにも選出されています。クロード・ドビュッシーのピアノ独奏曲「月の光」と共に、身近すぎて忘れがちな星「月」を初めて天体望遠鏡で観察した少年時代を思い出させてくれる、とても感慨深い作品ですね。


A New View of the Moon (YouTube) - To Scale (Wylie Overstreet & Alex Gorosh), US 2018

A New View of the Moon (Vimeo) - To Scale (Wylie Overstreet & Alex Gorosh), US 2018

&

Claude Debussy's Claire de lune - hr-Sinfonieorchester (Frankfurt Radio Symphony Orchestra), Germany 2012

A New View of the Moon - Wylie Overstreet & Alex Gorosh
To Scale


相変わらず取り留めもない生き方ですが、50歳になって令和3年を迎えました。


離婚の予定も含めて第二の人生を始めようと思っています。

何個かある目標のひとつが、NASAの「アルテミス計画」を追うこと。

追うといってもニュースくらいですけど、人類の一員として応援するつもりです。


最後になりましたが、皆さんにとって良い年になることを心から願っています。


元日