縁あって、2013年に公開された伝記映画「Finding Vivian Maier」をやっと観ることができた。
2007年に発見された写真家・・・ご本人は写真家などと呼ばれるつもりもなかったんだろうけれど、ヴィヴィアン・マイヤー (Vivian Maier, 1926-2009)という名の一般のアメリカ人女性を追った映画である。評価される頃にはお亡くなりになっているので、遺品となった写真と共に、彼女を知る人たちや、マリー・エレン・マーク、ジョエル・マイヤウィッツなどへのインタビューで構成されている。
なんというか、とても、懐かしく感じる世界だった。
Finding Vivian Maier - John Maloof & Charlie Siskel, US 2013
![]() |
| "Self-portrait, May 5, 1955." Vivian Maier Maloof Collection / Courtesy Howard Greenberg Gallery |
彼女のような人って、ごくたまに「発見」される。
社会への発表意欲や第三者からの承認欲求がゼロなので、世の中に発見されない同じような人は実際沢山いるんだろうと思う。ヘンリー・ダーガーは都市伝説も含めて有名だが、後世の人々はそういう人を芸術家と呼んだりする。ただし、それは最も安易に括りやすくするための肩書であって、ご本人からしたら「ちょっと違う」と思ってらっしゃるんではないか、という気もする。
彼女自身が何も語っていないので確証はないが、彼女自身は社会における写真の動向、あるいは、同時代の写真家という肩書を持つ人々の作品やその傾向について、かなり知っていたどころか、とても深い部分まで共感したり共鳴しながら撮っていたのではないか、と思う。
いずれにしても彼女のように、ごく私的な生活の一部として、自分自身を構成する一部として、日記のようにコツコツと何かを紡ぎ続けている人がいる。
なんて素晴らしいことなんだろう。
