見映

 

全員が全員じゃないが、有名なインフルエンサーやYouTuberが増えて良かったなと思う点は唯一点、「照明(ライティング)を意識する人が増えた」ことだと思う。


自然光でも人工光でも光源はなんでもいいが、今迄、どれだけ照明の大切さを伝えようとしても一般の人々にはなかなか理解してもらえなかった。

勿論、特に、ルネサンス以降の画家たちが照明の大切さを説き続けてはきたんだが、ご存じの通り、絵を描く一般人が激増する機会というのは・・・残念ながら到来しなかった。しかし、携帯端末の普及で一気に「カメラがいつでも手元にある一般人」が増えたのだ。そういう意味では、ハーシェルが創案したPhotonで描くGraphicは現代になってやっと理解する人々が増えた、と言えるだろう。


ところで、遥か昔に学校を離れたので現状をまったく知らないが、今、写真業界を目指そうという女性は多いのだろうか。

そもそも最近は国内でも国外でも「憧れの的になるような、その業界を象徴するような、売れっ子の女性写真家の活躍」をほとんど見かけない。静止画でも動画でも、そういう映像の分野で活躍する才能がほとんどSNS界隈へ行ってしまったことは理解しているつもりだが、しかし今この瞬間も大量の映像がアップされ続けているワケで、「見映えの専門知識」を生かせる場は増えることはあっても減ることはないし、おそらく人類史で捉えてもこれだけ「一般人が映像の見映えを気にする時代」は過去になかったんじゃないかと思う。


ただし、じゃあ、それをどうやって募集に繋げるかは、とっくの昔に辞めているので真剣に考えるのは・・・面倒臭い、ごめん (これは本当に、今でも、申し訳なかったと反省している)。


Angelina Jolie: In The Bag - Episode 44, British Vogue 2021

Angelina Jolie Self-portraits with a Hasselblad by Alexei Hay 2012.
Marie Claire / HFM


高田純次が盛んに「こんにちは、アンジェリーナ・ジョリーです」という掴みで笑いをとっていた頃に比べると、彼女はすっかり落ち着いて今の方が断然いい。


それにしても・・・女性というのは本当にバッグが好きだ。Vogueの動画は「バッグの中身」シリーズだが、男性にはちょっと理解しがたいレベルで女性はバッグに興味を持つ。それならもういっそのこと、グレース・ケリーが「ケリー」バッグを、ジェーン・バーキンが「バーキン」バッグを生み出したように、今後「売れっ子の女性写真家」が誕生したらチャンスを逃すな、カメラバッグをエルメスでプロデュースするべきだ。


そうすれば、プレゼントする男性の財布は悲鳴を上げるかもしれないが、未だに男臭~い写真業界もちょっとはいい香りになるだろう。