あなたは最近、1枚の写真を見るのにどのくらいの時間を費やしましたか?
もう少し丁寧に言いましょう。あなたが最近「いいな」と思った他人の写真を見た時、1枚あたり最長でどのくらいの時間を費やしましたか?
わたしは最長でも1分くらい、かと思います。それでも、こんな私ですが、他人の写真でも気になる写真があれば、それなりに時間を費やして見ている方だと思います。
1枚の写真を1分間、つまり60秒間、見る。
これを、あなたは長いと感じますか? 短いと感じますか?
仮に、あなたが「見る場」である写真展に行ったとしましょう。あなたは会場に入り、主催者から「30枚の写真が飾ってあります」と言われ、壁面を見渡します。その時、ほとんどの人は「枚数はそんなに多くない」と感じるのではないでしょうか。
しかし、1枚の写真を1分で見たら、30枚で30分、次の写真へ移動する時間もかかりますから、30分以上が必要です。タイマーで測りながら見てみてください。そして、見終わったほとんどの人の感想は、最初に「疲れた」だと思います。私もまず「疲れた」と言うと思います。
恐らく写真が誕生して以来、今、1枚の写真を見る時間が最も短い時代になりました。
インスタグラムのプロアカウントなどをお持ちの方は痛感されているでしょう。一般の方々が他人の写真を、1枚の写真を見る時間は平均で1秒もなく、0.5秒くらい、気に入らなかったり興味がなければそれ以下、ということも普通です。しかも、見ている時には見るだけではなく、音楽を聴いていたり、話していたり、食べていたり、歩いていたり・・・ぜんぜん別のことを考えていたり。瞬きした瞬間にはもう次の写真、です。
写真は約200年近くをかけて、ほとんどの人が写真をよく見ない世界へ来てしまったのです。
AUTOMATICA (Official Video) - Nigel Stanford, Mv:Shahir Daud & Timur Civan, New Zealand 2017
Automatica - "Automatica" Nigel Stanford (Cosponsor: KUKA Robotics, Sennheiser Electronic, Roland Corporation) Sony Masterworks / Portrait Records |
私は・・・写真を1枚1枚・・・ゆっくり見ることにします・・・