4:3

 

洋物の音楽をよく聴いて、そのミュージック・ビデオもよく観る人はお気づきだと思う。


2年ほど前からか、チャート上位に登場するような曲のMVが結構頻繁に4:3画面で制作されるようになった。

大昔、4:3画面の上下に黒いマスクが出ると、俺はノートリミングで観てるぜ、という満足感が得られたものだ。

どうやら今の若い人たちは16:9画面の左右に黒いマスクが出ると、おっ洒落~に感じる、らしい。


4:3時代、映画でもないのにわざわざ上下に黒マスクして、それっぽい雰囲気を出していた手法の逆である。


ドイツのエニグマはナチスの暗号・・・じゃなくて、彼らが大ヒットしたのは90年代だ。

現在もEDMのチル系やディープハウス系ではリミックス含めてよく流れていて、思い出す度に聴いている。

音も画も抜群なのに、多重録音ライバルのエンヤよりも知名度が断然低かったのが残念でならない。


物凄~く前に一度貼った記憶があるが、あえて左右に黒マスクを出したままのキャプチャで改めて貼ろう。


Age of Loneliness - Enigma, Vo: Sandra Cretu, Mv: Big TV! (Andy Delaney & Monty Whitebloom, Germany 1994

Age of Loneliness - "The Cross of Changes" Enigma
Virgin / EMI Records


【Mongolian aria】

【モンゴリアン詠唱】※1


Carly don't be sad

カーリー、悲しまないで ※2

Life is crazy

人生は狂ってる

Life is mad

人生はどうかしてるのよ


Don't be afraid...

怖がらないで・・・


Carly don't be sad

カーリー、悲しまないで

That's your destiny

それがあなたの運命

The only chance...

たったひとつの兆し・・・ ※3


Take it, take it in your hands

掴むのよ、あなたの手で掴み取って


【Mongolian aria & Gregorian chant】

【モンゴリアン詠唱とグレゴリオ聖歌】


Carly don't be sad...

カーリー、悲しまないで


【Gregorian chant】

【グレゴリオ聖歌】


Life is crazy

人生は狂ってる

Life is mad...

人生はどうかしてるのよ・・・


【Mongolian aria & Gregorian chant】

【モンゴリアン詠唱とグレゴリオ聖歌】



※1
この曲のとても印象深いアリアは、モンゴル人の女性歌手 Dechinzundui Nadmidさんの「Tosonguyn Oroygoor」という曲からサンプリングされている。この名前と曲名、思い出す度にネットで調べて早10年以上、未だにどう発音するのかが全く分からん。情報がゼロではないんだが、そのほとんどが「理解できた」と思えるような言語で書かれていない。グレゴリオ聖歌の情報は山ほどあるのに・・・やはりアジアは未だにマイナーなのか、あるいは、これからも独自性のある文化資源がWEBグローバリズムから守られると考えればいいのか、どうなんでしょう。 

※2
カーリーとは、映画「硝子の塔」の主人公カーリー・ノリスのことで、シャロン・ストーンが演じた。この曲は、もともとこの映画の主題歌「カーリー・ソング」として作曲され、サントラ構成後に再編曲されて新たな曲「エイジ・オブ・ロンリネス」としてリリースとなった。なお映画の出来はゴニョゴニョである。

※3
この「The only chance」の chanceについては、和訳にいろいろなご意見があると思う。しかし最早、チャンスと読む片仮名英語は意味合いが日本語化して定着しきっているように思う。実際、chanceをチャンスと片仮名で和訳(?)してハイ終了、という歌詞サイトがほとんどである。しかし、映画の出来は別として、主人公カーリーが感じたものは「幸運」だけではなかった。それで迷った挙句、この曲の音や画の雰囲気を汲み、「不運」も含めて、人生を切り開く判断材料を入手するんだ、という意味で「兆し」としてみた。

おやすみなさい。