映像の入力装置、つまりカメラについてなんでもかんでも日本一強というのは遥か過去の話になった。
特に動画系のカメラは業務用から一般向けまで国内メーカーは惨憺たる状況になっている。
業務用はパナソニックとソニーが頑張ってはいるが手放す可能性は今後も捨てきれない。
また、一般向けはもう恐らくどんなに頑張っても過去のような売り上げは無理だろう。
静止画系のカメラは、少なくとも業務用は国内メーカーがまだ何とか牙城を守っている。
ただし、今後も牙城を守れるだろう会社がニコンとキヤノンの二社しかないというのは異常な状態だ。
市場原理として不健全だし、競争相手が減っていくこと自体が市場規模の縮小を招いてしまう。
じゃあどうすればいいのか、というのは難しい話だが。
Bus Stop Photoshop Prank - László Ladányi, Hungary 2014
László Ladányi |
これは動画系の例になるが、21世紀に入ってから成功したメーカーは「超低価格」か「超高性能」か、だ。
価格も性能も中庸な商品を得意とするメーカーは軒並み消えた。
超低価格に振って、スマホにもドライブレコーダーにも監視カメラにも、一人で何台もを実現するメーカーか。
あるいは超高性能に振って、映画撮影のワークフローを塗り替えるようなメーカーのみが生き残っている。
この二極化を静止画系にそのまま当てはめてもどうかとは思う。
ただし、静止画系でまだ本気でやっていないのが業務用の「超高性能」に振り切ることなのではないかと思う。
惑星探査機に採用されるレベルの画像素子や超高解像度のレンズを使用し、極限まで性能を引き出す。
個人購入は切り捨て、基本的に法人購入のみを対象とした販売ルートや価格設定とする。
レクサスやベンツまでしかないラインナップを、LFAやフェラーリ相当のラインナップまで広げるのと同じ。
ベンツがベンツで満足できない顧客のためにマイバッハを用意したように、上のセグメントを開拓するのだ。
マイバッハ同様、カタログの入手すら選ばれた人のみ、いや、選ばれたフォトグラファーのみにするのである。
ニコンなら中級機以下は廃止、D1桁シリーズの上位、例えば自社頭文字を冠してN1桁のシリーズを。
キヤノンならEOS-1Dシリーズの上位、こちらも自社頭文字を冠してC1桁のシリーズを新たに開発する。
カメラボディ1台で数千万、標準レンズ1本で数百万、交換レンズ数本との合計価格は億単位になっても結構。
一歩間違えればメーカーは倒産、ユーザーは破産するかもしれないが、伝説になること間違いなしである。
The Stress Test Campaign - Nivea Germany, Ad: Beiersdorf AG, Di: Felix Schulz, Germany 2013
Making of The Stress Test Campaign - Nivea Germany 2013
Frankfurt Airport Nivea Germany |
そして・・・きっと何処かの大金持ちのユーチューバーが「買ってみた」とかやっちゃうはずである。