禁手


PhotoshopあるいはPhotoshop的な画像編集ソフトって、これ以上進化できるんだろうか、と思っていた。

が、最近になって別分野から続々とAIに支援させる画像技術が一般にも出回るようになってきた。
恐らくAdobeは、開発自体はやってるだろうが、なかなか自社製品の実装には踏み切れなかったはずだ。
なぜなら、リーディングカンパニーにとっては禁じ手の画像技術だからである。

特に、小さなサイズの.jpg画像をAIの支援によってほとんど画質劣化なしで拡大できる技術は本当に凄い。

.jpgは非可逆、というオリジナルの保護対策はどうなるんだ、と心配する段階に達しているのは間違いない。
ブラウザさえあれば利用できる「waifu2x」ですら、少なくともWEB上でなら問題ないレベルに拡大できる。
しかも、この手の開発会社は皆、自社AIにどんどんディープランニングさせるために、無償提供しているのだ。

使えば使うほど、画質が向上していくのである。


Umar - "Couple Affair 04" Various
Steyoyoke, Germany 2018

そしてとうとう、決定打というかなんというか、まさかLightroomの存在意義を疑う時が来るとは思わなんだ。

先ず、小さなサイズの.jpg画像をTopaz Labs (トパーズ・ラボ)社の「DeNoise AI」等で丁寧にノイズ除去し、
次に、同社の「Gigapixel AI」で小さなサイズから大きなサイズへ無理なく拡大して、
最後に、同社の「JPEG to RAW AI」で変換すれば、最終的に大きなRAW画像までが手に入るのだ。

もちろん、オリジナルのデータへ完璧に戻すことはできない。
とはいえ、小さな.jpgから実用上で問題ないサイズと色空間に拡大されたRAW画像が誰でも入手できるのだ。
疑うならトライアル版も出てるので自分の撮影データで試してみるといい、もうビックリするしかない。

今後は、画質云々よりも、恐らく法的な問題が噴出するとは思うが。

とはいえ、これだけ魅力的(悪魔的と言ってもよかろう)な画像技術がこのまま放置されるはずがない。
世の中は何故か(頭にくるが)、Photoshop派よりもIllustrator派の方が幅を利かせているのだ。
間違いなく近年中に、Adobeは「禁じ手の画像技術」をCCへ組み込むことになるだろう。

でなければ、早々にGoogleが買収でもして、画像検索のようなレベルで画像編集が出来る日が来るに違いない。


Night Blooming Jasmine (Rodriguez Jr. Remix) - Eli & Fur
 Anjunadeep, UK 2018

ほとんどの写真は、切り刻まれる運命にある。
残念だが。

(現時点で未だテンプレート調整中の為、読みにくかったり見にくい状態で表示されるかもしれません・・・ゴメンナサイ)