第70回ベルリン国際映画際 (Berlinale 2020)。
カンヌ国際映画祭、ベネチア国際映画祭と並ぶ世界三大映画祭の中では、最も硬派な作品選考で知られる。
FIAPF公認の国際映画祭として世界最大規模で、今年のエントリーは全342作品、うちコンペ部門は18作品となった。
2月20日、審査員長のジェレミー・アイアンズを筆頭に、オープニング・セレモニーが催された。
2月21日、映画「Minamata」について30分ほどの記者会見(この動画の会見開始は39分頃から)。
着席は左から・・・
ブノワ・ドゥローム (Benoît Delhomme)
撮影
ビル・ナイ (Bill Nighy)
雑誌LIFE編集長のロバート・ヘイズ役
キャサリン・ジェンキンス (Katherine Jenkins)
雑誌LIFE編集者のミリー役、監督夫人で本業はソプラノ歌手
岩瀬晶子 (Akiko Iwase)
マツムラ・マサコ役、役名の漢字不明
真田広之 (Hiroyuki Sanada)
ヤマザキ・ミツオ役、役名の漢字不明
アンドリュー・レヴィタス (Andrew Levitas)
監督、かなり多才な方のようだ
ジョニー・デップ (Johnny Depp)
ユージン・スミス役
美波 (Minami)
アイリーン・美緒子・スミス役
アイリーン・美緒子・スミス (Aileen Mioko Smith)
ユージン・スミス夫人
通訳
・・・という順番。
司会者が先にビル・ナイを紹介してブノワ・ドゥロームを飛ばす、という苦笑いな場面も。
司会者が先にビル・ナイを紹介してブノワ・ドゥロームを飛ばす、という苦笑いな場面も。
なお、公式ハイライトでまとめられたジョニー・デップの主な発言は下記の通り。
ジャック・スパロウの饒舌さが信じられないくらい普段はボソボソと話す人なので、かなり意訳した。
I've always had a kind of a strange fascination with W. Eugene Smith initially the photographs.
わたしはいつも、ユージン・スミスの写真にある種の不思議な魅力を感じていました。
I'd read a bit about his life and what he’d gone through, what he’d experienced, what he’d sacrificed to capture those moments, to capture those photos.
彼の人生や経歴を調べましたが、彼の経験や、その瞬間を撮影するために犠牲にしたことが、写真に撮られています。
I think just as people, all of us are faced with huge monolithic-sized problems at times in our lives.
わたし達は皆、生きていく上で大きな問題に直面することがあると思います。
Whether it be some horrific disease such as the Minamata disease, or fires blazing or worlds collapsing, there’s a beautiful symbol in the I Ching that means the power of the small.
水俣病のような恐ろしい公害や、炎が吹き荒れたり世界が崩壊しようとも、易経※にもあるように、そこには人々の小さな力を美しく象徴するものがあるはずです。
※古代中国の経典「易経(えききょう)」は英語でI ChingまたはBook of Changesなどと訳される。
読んだことがないので本当に書いてあるのかどうかは知らない。
When you have these huge monolithic opponents in front of you, screaming at it is not going to do anything, trying to take the whole building down by yourself isn't going to do anything.
大きな問題に直面した時、叫んでもどうにもなりませんし、一気に解決しようとしても何もできません。
The power of the small is the idea that we recognize the issue and it just starts with one, you chip away little by little and then that problem can be toppled.
小さな力とは、まず問題をよく認識することから始まり、そうやって少しずつ削りとった欠片(かけら)によって問題が解決していく、という考え方です。
We are specks of dust, we are the small, so if there’s something that needs to be dealt with that’s of such magnitude, just start chipping away and people will follow hopefully.
わたし達は微かな欠片(かけら)であり、小さな存在ですが、巨大な何かに立ち向かわなければならなくなった時、(この映画は)皆さんにとって(欠片を)削り始めるきっかけとなるでしょう。
Berlinale 2020 The 70th Berlin International Film Festival |
現時点でトレイラー(予告)の公開はなし。
未だオフィシャルサイトもなし・・・やはりいろいろと間に合わなかったか。
但し、この記者会見と同時に下記3つのティザー(場面)が先行公開された。
音楽は教授こと坂本龍一が担当している。
1. Minamata new clip official from Berlin Film Festival 2020 -1/3
2. Minamata new clip official from Berlin Film Festival 2020 -2/3
3. Minamata new clip official from Berlin Film Festival 2020 -3/3
国内で紹介しているサイトはほとんどが映画系で、まだ報道系は少ない。
配給先や一般公開の時期なども未定だが、開催中のチケットは売り切れの回もあるようだ。
さあ、日本公開で手を挙げるのはどこの会社だ。